2009.8.25
源作ワインとコスモ夢舞台
森 紘一

 3年前のゴールデンウイークに突然亡くなったAさんは北海道の倶知安出身で、わたしは学生時代の後半から40年来の親交をいただいていた。一学年先輩のAさんは、逞しい風貌ながら優しいエクボが似合う熱血漢だった。

賢太郎さん、御沓さんとは神田の神保町で夢を語り合ったこともある。蓮田のアトリエで開かれた夕暮れコンサートに、Aさんと参加したことはまだ記憶に新しい。

Aさんは、3年前の秋にはコスモ夢舞台に来る予定だった。残念ながらそれは実現しなかったが、自らが主宰する読み聞かせの会を「いつか豊実でやりたいね」が口癖だった。

どういう経緯であったかは忘れたが、かれこれ7〜8年前、Aさんからワインが送られてきたことがあった。Aさんの遠縁にあたるという埼玉県両神村にあるワイナリーの赤と白のワインだった。赤の方は渋みも適度で酸味も弱く、白の方はさわやかな口当たりのフルーティな風味だった。これが、「じつに自然で飾り気のない国産ワイン」とソムリエの渋谷康弘氏も推奨している『源作印の秩父ワイン』であることを知ったのはだいぶ後のことだった。

以来、コスモ夢舞台のさまざまなイベントで仲間たちと豊実に集まると、この源作ワインで祝杯を挙げるのがわたしにとっては至福の時となった。どうやら、日本酒党の棟梁やビール好きのマキ子さんも源作ワインのファンになっていただけたようである。     

間もなく里山アート展の出品作家の創作活動もはじまるが、今年は5月の歌声喫茶にはじまって、エレルヘイン少女合唱団の来訪や田んぼ夢舞台祭り、待望の古代ハスが咲いたビオトープコスモ夢舞台つくりなど、新しい展開や新企画など話題も豊富である。   
   豊実の賑やかな充実ぶりをAさんもきっと喜んでくれるにちがいない。         

   いやそれ以上に、読み聞かせの会をやってみたいという希望者が出てくることを、Aさんは待ち望んでいるのかもしれない。川のせせらぎをバックに悠々亭で、囲炉裏を囲んで滔々亭で、皆さんとそんな空間づくりも楽しんでみたいものですね。