2009.12.

2022.6.9
輪廻流転を読んで
佐藤賢太郎

 山本かさねさんから刊行本が送られてきた。お父さんは鈴木政夫さん。のち、私は彫刻家として師事しました。かさねさんのことは記憶になかった。ですから驚いたのです。師匠の「かさねは、石の磨きは上手」という言葉だけは覚えています。

私にとって、この3年間師事したことは、とても勉強になった。教師から転職して彫刻家を目指したのだが、大変難しい世界に入ったとわかった。美術大学を出ても彫刻家になるのは難しいのに、それも工業大学卒、工学のことは全然しないラグビーばかりしていた青年でした。師匠には「彫刻家になるには才能がいる。1、夢があること 2、健康であること 3、何を作るか」であると言われたことを覚えている。本当にそうだ、と今思う。健康が一番です。ああのような仕事場が持てたらと、夢と現実は裏腹の世界であった。独立して、ある作家から「君は美術学校に行っていないから」と言われたことが辛かった。私は2006年、ギリシャの「パトラス欧州文化首都」より招聘され、石彫シンポジウムに参加した。その時、まさか私がと思った。

かさねさんは癌についても書いているが、私は一番知っている。私は癌になって直したからである。かなりの勉強をしてきた。

今、縄文住居つくりに懸命である。金はないが町から借りて高台に美術館も設置した。