2009.12.

2022.1.15
豊実の初夢
森紘一

 昨年末、来年から竪穴式住居つくりをはじめると、佐藤さんは表明されている。さて、佐藤さんはどんな風景を想い画いているのだろう。コスモ夢舞台にとって、我われにとって、それは興味津々の初夢である。

何もないところといわれていた阿賀町豊実は今、大きく変化している。変革の時を迎えているといっても過言ではない。「里山アート展」は今年、開催19回目となる。過疎の集落の秋の名物イベントとなり、会期中の見学者数はふえ続けている。ここ2年はコロナの影響を受けているが、それでも他府県人や諸外国の人びとが集まって来る。その魅力とは何だろう? これも時代の流れなのだろうか。

 さらに、アート展会場を見下ろす小高い丘の一角にあった冬季児童宿泊施設は、常設の「佐藤賢太郎美術館」に生まれ変わっている。美術館と地続きの上段の杉林は整備され、広い平地にはストーンサークルのモニュメントが二基設置されている。そこには大きな栗の裸木も6本立っている。まるで、山内丸山遺跡を思わせる風情となっている。ここに竪穴式住居が建てば、それこそ「縄文アートラボ」のシンボルとなるに違いない。

豊実は近い将来、豊かな田舎暮らしをめざす若者たちのたまり場、縄文村となっていくのかもしれない。
 豊実の新時代に、佐藤さんともども我われも大いに期待を寄せたい。