2009.12.

2014.01.18
夢の共有と連帯
森 紘一 

 初春にホットな電話をいただいた。佐藤さんによると、16日にギリシャから「大歓迎する」と連絡が入ったという。いよいよ本番まで半年、佐藤さんの声も明るくはずんでいた。 

すでに佐藤さんは、彼の地で創る作品のイメージを固めているそうだが、我われの期待も日増しにふくらんでくる。「絆」プロジェクト実行委員会としても、渡航・制作資金の支援活動に拍車をかけなければならない。6月には壮行会を開催しようと検討中である。 

 思えば、佐藤さんとマキ子さんを中心に総勢13名で現地を訪ねたのは4年前(2010年)のことになる。2006年夏、佐藤さんが孤軍奮闘して制作・設置した作品「ゴルゴ−ナ(融合)」をパルキ港の埠頭で見上げたあの感動は忘れがたい。リオシスさんをはじめ、アマリアーダの人びとのあたたかい笑顔も懐かしくよみがえる。

 当時、滞在一ヶ月の間に佐藤さんとリオシスさんに友情がめばえ、信頼関係ができたとは、とても信じられなかった。ところが、我われ一行を迎えてくれたパーティの席でサプライズがあった。「市庁舎の海辺に続くプロムナードにサトーの新しい作品を創ってほしい。完成の暁には、そこを日本とギリシャの友好広場とし、サトーを名誉市民として迎えたい」。リオシスさんの提案は、まぎれもなく佐藤さんへの信頼と石彫作家佐藤賢太郎への高い評価に裏打ちされていた。

 佐藤さんとリオシスさんの友情に端を発した信頼関係が、日本とギリシャの友好親善を深めていく姿は、我われにとっても喜びである。アートを軸としたコスモ夢舞台の活動そのものが、人種や国境を越えてひろがり、人とひとの絆づくりにつながっていくさまは我われの誇りでもある。

昨年「里山アート展」は開催10周年の記念式典を行った。NPO法人コスモ夢舞台にとって、次なるステージの初年度にギリシャ「絆」プロジェクトがある意味は大きい。

それだけに「コスモ夢舞台2014」のイベント日程についても、会員の一人ひとりが自分の取り組みたいテーマを主張して、喧々諤々のなかで固めていきたい。それでこそ、夢の共有と連帯も強まっていくことになるだろうと思う。