2011.03.10
二人展から
大内富士枝

 彫刻家の先生が油絵を描きたいという、それも夜景を!何故夜景を描きたいのだろう?
何も見えないのではないかしら?いや私は降るような星空と月を、日本の画家が描いたロシアのマークロスコを思い浮かんだ。すごくロマンがある、ギリシャのアクロポリスの丘の夜の月も、そんな話を阿賀町豊実でしていたのが昨秋の事だった。

今回の二人展にその油絵を飾るというすごく楽しみで会場に走りこんだ。すると正面に3点が飛び込んだ。陶芸家二葉滋先生の作品と左右に分けて展示されていた。

私はブルーの光り輝く色彩に引き込まれてしまった。美しいブルーに暗やみにはプルシャンブルー(黒の混色)、よく見ると道には暖かい肌色が見え隠れしている。何と鮮やかな光と空気を感ずる。台地は眠っている、黒々と林立する杉ヒノキの樹が寄り添い、暗闇の中に光る一筋の道。

先生はこの絵をどんな気持ちで描かれたのでしょうか?勝手に想像しながら病気に対する苦難を乗り越え戦う強い精神性を感じることができました。側に二葉先生作の花いけに飾られていた山桜の淡いピンクの花々が枝を元気よく咲かせ、春よ春と奏でていました。

絵からの大切なメッセージを受け取ることが出来感謝感激でした。