2017.01.24
池の水音
佐藤賢太郎

豊実は雪国で、午前4時には昨日積もった雪の除雪をします。除雪が終わったころ、新聞が配達されます。新聞屋さんはこの家は何故こんなに早く除雪をしているのか分からないと思います。新聞配達の方のために? 古田さんが、我が家に毎朝来られるために除雪をしています。それに雪国に住むということは、必ず一日に一度以上、雪かきはしなければなりません。 

何時ものように除雪をしていると、池に流れる水の音が耳に入ります。この音が耳に入ると嬉しくなります。飽きません。この池に除雪の雪も一部入れます。池の水は「コンコン」とホースの中を通って池に入ります。こうなるまでに、10年かかりました。10日ではなく、1年ではなく、10年かかりました。 

春になると、水が出ない原因はどこか、ホースを辿り水が出るように修復してきました。根本的に直さないで、その箇所だけを直して終わりとしてきました。夏など池の水が出なくなる時があると、それは大変です。

なぜなら、ホースが見えるようにしなければなりません、そのホースが見えるようにするための雑草刈が大変です。その上、そこに蜂が棲んでいることもあります。こうして毎年修復して参りましたが、水が止まることもしばしばありました。そこで、長いホースを換える作業をしました。その間、随分苦労しました。そしてついに、水が止まることが無くなりました。だから、水が出る音が嬉しいのです。 

このことから思います。私たちは、何を後輩に、子供に残すのか。修復していないホースをそのままバトンタッチするのか、修復したものを残すのか、これは大事な問題だと思いました。