2018.01.12
克服する
佐藤賢太郎

 豊実は久ぶりに大雪となった。積もった雪が背丈近くもあり、除雪が大変なことは言うまでもない。でも、私はそんなことには驚かない。何故なのか。

 私は、村の共有地森林の会計係を担当することになって3年目を迎えた。今までこの道で専門家のような方が会計係をしていたが、体調を悪くして、会長の推薦で私がすることになったのです。

それまで、共有地の森林総会で決算書を見てもよく解らなかった。その決算書は、ソロバンや電卓を使った全て手書きのコピーであった。通帳も2つあった。

私は勿論ソロバンもできないし、税金対象の字地名もようわからない。これで決算書の作成をするのだから、大変困難なことは分かっていた。しかし山林所有があり、豊実に住む以上、その上コスモ夢舞台を立ち上げているのだから、その役を受けなければならないのであった。

そこで、パソコンのエクセルの使い方を教えた頂きながら、誰にでもわかるように簡略化する大改革を行うことにした。初めに税金の納入方法を変更するため、役場に何度も通って、納税を振込にし、通帳を一本化した。ひと山越えた。 

しかし説明もないまま、前任者の台帳を引き継ぎ、いざ取りかかると通帳と台帳の数値が合わない。これが最大の難所になって、私の苦しみが始まった。これが2年続き、改善して今年で3度目になったが、また数値が合わない。本当に経理が苦手である。何度も仕切り直し、全力投球で取り組んだ。

 勿論パソコンなしには到底、この役は受けられないと思った。調べていくうちに、前年度の経理が間違っていないかと気づいた。そして、いろんなことが徐々に解ってきた。

苦手をこなしてゆくことが、コスモ夢舞台の発展に繋がっているのである。もはや、できないとか苦手とか言って逃れられない宿命が私に課せられている。

決算書に取り組んで三日目、ついに通帳と台帳が一致した。私は大変嬉しかった。大雪は大変ですが、驚かないのはこうして苦手を克服したからなのです。

 人はできないという理由を言い訳にする。しかし、やり遂げなければ生きていけないとなれば、少しはできるのだと分かった。これでコスモ夢舞台をより善くする自信をもてたのである。

 嬉しくて、昨日散歩しました。道は大雪で、ブルでの除雪も間に合わないほどだった。難は福門であり、私の精神を鍛えてくれると思った。その精神を養ってくれたのは、両親、先祖である。

今日は、我が家の周りの雪かきです。