2017.02.24
近づけば厳しくなる
佐藤賢太郎 

当たり前のことと聞けば、それはたいしたことないことだと思われがちです。私はそうは思いません。当たり前のことが出来ることが、実は大変なことなのだと思います。 

当たり前のこととは何だろう? 東から太陽が昇ります。これは当たり前のことです。人間界でいえば、自然の法則に沿った人間の生き方、それが当たり前と言うのだと思います。そのように解っていても実行できるだろうか。物を大切に使うことが当たり前と多くの人は言う。しかし、実行しているかとなると難しいのです。 

ところで、富士の山も離れてみれば美しく綺麗な山です。しかし近づいて、その山を登ってみると、頂上に近づくにつれ目に入るのはごつごつした岩肌です。

あこがれも近づいてみると、いい加減に済まされないことに出会います。私は以前、彫刻家になりたいと憧れがあった。しかしその世界に入れば、厳しい現実に必ず出会いました。そこをどう乗り越えるかによって、明暗が分かれてきます。

人生の総決算がせまっています。みんなそれぞれに苦労したと言いますが、でも結果は違います。なぜなのか? 毎日の積み重ねがあって、現在があるのではないかと思います。周りのせいではありません。生まれながらの大病やどの国に生まれたかを除けば、全部自分が蒔いた種だと思います。 

そんなことを思いながら春を迎えます。そして今、時は確実に過ぎて行くことを実感しています。