2017.04.01
夢・なぜ同じものばかり?
佐藤賢太郎

 8月に、「ギャラリーマスガ」で企画個展の開催が予定されている。

須賀川の「ギャラリーマスガ」は、とてもステイタスの高い画廊です。もちろん、増賀さんが好きな作家の作品を扱っています。

私はそれに対し、これが「ギャラリ−マスガ」で最後の個展になるかもしれないと覚悟し、挑戦してみようとしています。

 私は日本橋高島屋で個展を連続で、しかも定期的に企画をしていただいてきました。これが最後かもしれないと思いながら行ってまいりました。

ところで私から「ギャラリーマスガ」に個展をさせてくださいと言ったことはありません。思うに、増賀さんにとってメリットがあれば開催するし、無ければ開催しないでしょう。忖度するに、私の作品は増賀さんから見て、長い間開催がなったことは、私の作品が増賀さんのメガネにかなう作品ではなかったということなのでしょうか。「ギャラリーマスガ」での個展は本当に久しぶりのことです。

 増賀さんから条件付きの要望がありました。増賀さんが求めるもの、それは動物シリーズでした。原発事故で福島県では美術品に気軽に手がでない状況にありますが、それでも人が癒される作品がほしい、そのような作品を作ってほしいとの要望です。果たして作れるかどうかわかりませんが、それだけに挑戦です。

 そんなこともあってか、昨日私は夢を見ました。ある方が「どうしてあなたは同じ動物ばかり作るのですか?」と訊くのです。

同じ動物というけれど、同じではないのです。同じ人間が作っていますが、年々人は変わっていきます。その深みが作品に出せれば良いのではないかと思います。

 私は日本橋高島屋で動物以外の、あえて安定した売れ行きがない作品を作ってまいりました。その時々に、自分が出会った事柄に合わせて作った作品です。ガンもありました、モロッコへの旅、宇宙の法則への目覚め、両親との死別もありました。結果として、売り上げは以前に比べて下がりましたが、作りたいものを思いのままに作ってまいりました。それは私にとって、作家として最も充実した時間だったかもしれません。

果たしてがラリーマスガでの個展はどのようになるのか、賭けてみる楽しみもあります。