2010.11.04
里山アートト展作家の声7
里山アート展2010 
佐山道知

 私は、一貫して人間をテーマに制作してきました。最初は、その存在の形の美しさを、内部の構築を追及すると共に、造形してきました。

そして、しだいに人間の内面のさまざまな心のかっとうに、注目するようになりました。心のかっとうを、造形するということは、漠然としていて取っかかりが無いようですが、私は、自分自身の内面を凝視することによって、形を見出すことが出来ました。

そして、人間の胴体だけで生命力とエロスを表現する「横のトルソ」シリーズ、そして、人間の顔だけで表現する「FACE」シリーズへと移行しました。

今回の出品作「S氏の肖像」は、鎌倉時代の傑作、東大寺南大門の仁王像の阿形、吽形の様式を取り入れて、人間の心の奥からの叫びを造形したものです。対の像吽形は、来年の設置になります。表題のS氏は、様々の人々、そして私自身かもしれません。