2010.10.04
里山アート展の作家と語る2
佐藤賢太郎

間地紀以子さんの作品題名は「わたしの第9条」である。それは憲法第9条のことである。武力を持たないで、国と国は仲良くあるべきということである。

 私は間地紀以子さんに、「理想としてはそうあるべきだとは思うが、それは理想であって、中国やソビエトの領土拡張、そしてイスラエルやパレスチナはじめ北朝鮮もみんな武力を背景にして自国を維持しようとしている。」と言った。

   間地紀以子さんは「人間が武力で自国の主張をしようとしても絶対に平和は勝ち取れない。理想であるかも知れないが、知恵を出し合って人類は9条のような精神でなければならない」とおっしゃった。日本は海に囲まれ、外敵の侵入がないところ、岩のごろごろした国とは違い恵まれていた環境の違いはあるとも話していた。               

私はそれに対して「理性や知恵を出し合うより、大多数は感情論が強くてそれが先行してしまうのが現実ではないか」と言った。政治はそれを利用して保身を図るのではないか。どこの国に行っても理想の実行は難しい。そんな国は文明国にはないのだろう。

さて話題を身近にしてみると、田舎の場合、当初コスモ夢舞台はどちらで見られたのだろうか? 感情論が圧倒的に多かったであろうと思う。今は少しずつ感情論から理性の風も吹き始めていると期待している。

当初マップはコスモ夢舞台共和国にしていたのだが、豊実マップに変更した。なぜ共和国にしようとしたのか。それは私が生きている間に憲法9条が通用する理想の国実現は無理であろうから、それならば小さな国を作って理想が通用する共和国がいいだろうと思ったからです。この共和国は何も豊実の住民に限定していない。それを夢として集まった仲間は貴重な共和国の住民である。

私は「こうしたことを間地紀以子さんのような方と話ができるのは人生の幸せなひと時です」というと、「私も」と頷いてくださった。

里山アート展は作品の優劣を競うのではない、人の生き方、人とひとのかかわり合いを考えるところであると話し合った。私は「10回くらいは里山アート展を開催したいと思っている」と言うと、間地紀以子さんは「頑張って、私も元気なら参加する」と言ってくださった。制作している傍らで愛犬リキとチロが幸せそうに遊んでいた。私は夢としてヤギをここで遊ばせたい。それは、里山アート展のいい風景になると思う。                      

最後に間地紀以子さんは「私、今度70歳よ。この頃、ふくろ会の方々が見えないがどうしたの、以前は私がここに来ると、いつもも仲間の誰かがいましたね、少し淋しい。
   もっともこの年になると仲間の作家もみんな活動をやめてしまっているのよ。昔と同じことは出来ないけど、精神的に出来ることはありますよね。あなたたちはどこにも見られない、素晴らしいことを実現しようとしている。
   それには賢太郎さんとマキ子さんが元気でいなければならないし、そのためには仲間の精神的な支えがものすごく大切ですね。それはいくつになっても出来ることだと思う」と語った。