2010.11.15
里山アート展の撤収1
佐藤賢太郎

11月11日をもって里山アート展が終了した。長谷川さん、吉田さん、田中さん3人の作家がそれぞれの作品搬出にお出でになった。里山アート展の感想とこれからの希望を話されました。

 吉田さんは「石舞台をはじめてみたとき、これはすごい石の作品であると感動した。しかし今回手直ししたのか、石舞台を見てがっかりした。機能面から石の目地が埋まっていて平らになったことで、作品ではなく単なる道になってしまった」。そのように率直に言いました。

 もちろん手直しをしました。そもそも石舞台は作品であることと、機能両方を狙って制作しました。機能面というのは、石舞台で芸能披露する方々から、これでは危ないので段差がないフラットに直していただけないかということであった。荒々しく大きな石を敷いてあったのが、機能面を重要視する事で作品でなくなったということである。この意見は素直に聞くに値する。しかし、里山アート展そのものはアートという面からだけで成り立っているものではない。だからこそ小学生や素人の方も参加している。しかも、レセプションとして田んぼ夢舞台祭りを開催して、アートに近づいていただく機会を作っている。

そして、吉田さんと長谷川さんは「里山の香り」と言う私の籾殻を燃やす作品に大変注目された。作品はやがて燃えて消える。つまり自分たちも、見えない作品展というものを展開してみたいと言う。

 この作品は、瞬間に私の思いついた構想です。里山アート展の作品を、こうして私は作りました。吉田さんが素晴らしいと思った理由は、籾殻作品が里山アート展にふさわしく循環再生に繋がっていることである。ご自身の今回の作品は水の浄化につなげている。そして燃えた灰の作品は川に返しているのである。

 里山アート展は、このように参加作家の考えを入れながら、里山アート展そのものが変化してゆくことは面白い。今後、もしかすると、見えない作品や循環作品をテーマーに里山アート展を開催することになるかもしれない。