2018.08.18
タイトル『徹底的に廃材を使う』
吉田麻希5

  里山アート展に出品すべく作品を鋭意制作中であります。本作は、主に古いプロジェクターのレンズを使用して作っているのですが、それ以外にプロジェクターに取り付けられていた釘や導線その他の部品も再利用しています。解体しながら、この部品をこう組み直したら作品でも使えるかもしれないと、常に思考を巡らせています。

  今日特に嬉しかった発見は、作業場の地面に散らばっていた薄紫色のタイルの破片を見つけたことです。とても綺麗な色で、直ぐにこれを装飾に使おうと考えました。この破片で花の模様を作ることが出来ると直観しました。とにかく、手を動かしながら、色んな物の可能性を想像しています。「徹底的に廃材を利用する」というのが本作のもう一つのテーマなのだなと日々感じます。

こう言った考え方で作品を作れるのも、賢太郎先生がそうしているからです。何か作品を制作する上では、その作品自身のテーマと、制作の仕方としてのテーマがなくてはならないなと実感しました。自分の感性を出せばそれでいいというわけではなく、あるルールに則って作ってみることで、作品をそのルールの基準によって客観的に自分でみることが可能になります。今回で言えば、ここの部分でもっと廃材を利用できたんじゃないかという観点です。そして、この考え方こそが、刺激となり、作品へ、また新たなアイディアを生んでいける。そう確信しています。

 今まで、作品の中で、自分の感性を自分の好きなやり方で出すことしか考えてこなかった私ですが、今回の経験で、あるルールを設けて制作することで作品へのアイディアや作品の持つ意味がより深まっていく面白さがあると学びました。完成まであともう少し。思考、発見、実践を絶やさず最後まで制作出来るよう頑張ります。

 記 : 吉田 麻希