2011.12.17
自然の中でリフレッシュしよう9
佐藤賢太郎

 今年最後のコスモ夢舞台の被災地受け入れについて報告いたします。

今年は大震災により多くの方と人の繋がりを感じました。震災復興は容易ではありません。「東北関東大震災ボランティア活動基金」により福島の方の受け入れをしましたが、最後に会員であります大島和子さんの勤める障害者施設の方21名が和彩館の食事にお出でになりました。放射能汚染は深刻な問題です。健常者は少しでも汚染を避ける地域に移動もできますが、障害のある方たちはそれも難しい状態でした。

郡山市在住の大島さんに「まだ受け入れ可能です。知り合いの方がいたらどうぞ」と言ったところ、大島さんの勤めている障害者施設の方が多勢で和彩館に集まりました。こんなことは初めてでした。

お出でになった皆さんは、家内の手づくり蕎麦やピザ、デザート、コーヒーなどを食して、とても美味しいと心から喜ばれました。食事の介助なしには食べられない方もいらっしゃいました。私たちはどれだけ恵まれて生まれてきたのでしょうか。

 言葉は聞き取りづらいのですが、みなさんとても明るいのです。笑い声が絶えない和彩館でした。家内も「この明るさで救われる」と言っていました。

大島さんや引率の方は、食事の介助をしながら自分も食べる。その姿を見て、こんな風に大島さんは懸命に生きているのだと感心しました。私にはできないと思いました。(大島さんを少し紹介します。私の作品展にお出でになり、犬の作品と出会って、それを亡くなられたお子さんの墓に捧げられたそうです。それは作家にとって、とても心に残ることであります。)

 書家として有名な金澤翔子さんという方がいます。ダウン症でありながら凄い「書」を書きます。彼女のお母さんは生まれてきた我が子の将来と自分の人生を考え、絶望したと言ったそうです。盲目のピアニストの方も有名です。ご両親の愛情と努力によって神から与えられた天賦の才能が引き出されたのでしょう。

今回、和彩館に見えた21名の方々も伸び伸びと輝いていました。

私と彼らとの違いは何でしょう。私には、すべてが学びなさいという教えであるように思えます。会員のみなさんと作ったコスモ夢舞台に、こうしてさまざまな方がお出でになります。人生劇場を見ているようです。自分の考えにこだわらず、幅広い受け入れも必要とされるこの頃であります。