2015.07.21
A君のこと1
佐藤賢太郎 

彼は新潟大学3年で、ダブルホームのGホームに参加して3年前から豊実に来ていた。その彼がGホーム活動とは別に、個人的に農業体験をしたいと言いました。もちろん私は大歓迎である。農業というより私の生き方を学ぶこと、まず私が書いた「ギリシャ・夢の架け橋」を読むことが条件であると言いました。 

早速、彼は7月19日から我が家にやってきた。その日は、仲間の桐山士郎さんが滞在している日であった。そして、東京から7人の女子中学生が体験学習に来る日であった。来訪者が多い日であったが、彼にとっても学びの多い盛り沢山の機会なることは間違いないと思った。 

私は遠慮なく彼の優れているところ、足りないところを指摘しました。まず、豊実駅を乗り越してしまったことについて、彼に「そんなことではかのイスラム国なら死んでいたかもしれないよ」と言った。

次に、桐山さんと共に3人で田んぼの草取りをした。時折話をしながらであったが、苦労している様子がわかる。

人間にとって一番大切なものは何かと、彼に訊ねました。即答できずに、何か言っていました。私は「人間を含めて生き物は自分の命、生命を守ろうとする本能がある。だから命だと思う」と言いました。「その命に係わるコメを、このように無農薬米を作って、直に体験していると」と続けた。

彼は「こうして共に体を動かすことによって、親しみや理解ができるような気がする」、というような言葉を返してくれました。

田んぼの雑草はひどく苦労したが、まだ終わらないまま風呂の時間となった。「桃源の湯」に行き、桐山さんとこうして風呂に入れることは、とても贅沢な時間を過ごしていることだと彼に聞かせました。この風呂に、彼は感動一杯になっていた。

大学生と作業した後、一緒に風呂に入れるように準備をしていたのだと彼を目の前にして教えました。