2008.06.08~09
体験学習・D中学校生

千葉県から来たD中学校男子生徒4人を受け入れることになった。マキ子さんは諸準備があるため、阿賀町公民館まで筆者が迎えに行くことになった。

子どもたちにとってはどんな民家のどのような人のところへ行くのかということは気になるところだろうが、受け入れ側とてその心境に変わりはない。事前に送られてきた写真を見る限り、明るくて素直そうな子どもたちだと思った。ところがバスを降りてくる多くの生徒たちの口から、先生疲れたという声が聞こえてきた。初対面の4人の子どもたちも疲れている。

車の中でその訳を聞くと、早く起きたことと、午前中のゴルフや川釣り、カヌーなどの体験で疲れているのだという。即座に、外はどうであれ、当方では、朝は早いが、遊びの要素は全くないこと。働いて汗を流す体験の中から何かを持ち帰って欲しい旨を伝える。和彩館に着き、挨拶のとき、佐藤さんからも同様のことが言われる。

昼食は、マキ子さんが打った十割の手打ちそば、石窯で焼いたピザと働く前からご馳走が出る。食欲はまずまずである。一旦、休憩の後、午後の作業に入る。運搬機を使って河原に残っている木を運び、トラックへ積み込んで石夢工房へ持って行く。運搬機の操作はたいてい皆が喜ぶのだが、一回やった後は、1人の子に集中して、その子が黙々とやっている。班長にだけだが、エンジンのチェーンソーを使って木を切ってもらった。結構、すんなりとこなしていく。

力仕事はダラダラとやっていると危ない。こちらも真剣勝負である。どうなることかと思った初対面の時の心配をよそに、段々しゃきっとしてきているし不満の声も聞こえてこない。トラックで2往復した後、SLに興味があるという生徒がいたので、皆で写真撮影に向かう。外の民宿に泊まっている子達も来ていた。これは休日に来た生徒だけにしかできないお土産である。
   桃源の湯に入ってもらった後、夕食。働いただけあって、食欲が出てきた。さらに、ご近所のベテランの方から差し入れのあった絶品の笹団子が出されたが、これは別腹のようで喜んでいた。会話も徐々に打ち解けてきた。

朝仕事は、6時半スタートである。朝の早いのは苦手といっていた生徒も含めて全員がしっかりと約束どおり起きて来た。石夢工房からの薪運びも問題なく済ませた。帰りの集合場所が遠いので、朝食の後、残された時間はわずかしかないが、薪割りに挑戦する。なかなか割れない。偶然にも、野球部と剣道部に2人ずつ分かれた。先に割ったのは剣道部である。割れた瞬間は誰もが感動するようだ。

次に、全員交代で大きな木を楔で割る方法も体験してもらう。こうした割り方があることに驚いているようであった。最後の割れる瞬間を班長に託して、花を持たせていた。そのときのスナップである。

いつもの事ながら、どんなとき、どんな子どもたちにもこちら側は、全力でぶつかるしかない。やはり、事前に写真で見た良い印象は当たっていた。一陣の爽やかな風が吹き抜けるかのように元気に帰って行った。(御沓一敏)