2008.05.19~20
体験学習・K中学校   

19日午前11時過ぎ、千葉県よりK中学校の男子生徒4人が1泊2日の予定で訪れた。
   昨年も同じ学校から女生徒4人が来てくれたが、どうも最近は男の方がソフトな感じが多いような気がする。中でも口の活発な子、寡黙な子と二手に分かれる。従って、作業するに当たっては、対称的なタイプの組み合わせを一組とした。

昼飯前の一時、簡単に一番割れやすい小さな丸太の薪割りに挑戦してもらう。それでも、なかなか割れない。おもしろいことに、見た目には決して俊敏で力があるという風には見えない寡黙な一人の生徒が真っ先に割るコツを掴んだ。こちらの言うことを素直に実践した結果だと思う。しかし、ここでは、早い遅い、勝ち負けの世界ではない。できない子もはじめはやる気のない子も身体を動かす体験を通して、どこかで何かを感じ持ち帰って欲しいと願っている。そのためには、こちらも諦める訳には行かない。

昼食後は、桃源の湯のボイラーの火が弱くなっていたので、杉の枝を燃すことと、風呂の掃除をしてもらう。その後、石夢工房の広場脇に置いてある堆肥を本宅裏の畑へ運び、撒く作業を一緒にやる。何かおもしろいことを一つ入れないとなかなか動かないので、トラックの後ろについているリフトのスイッチの操作を自分たちでやらせるとこれには興味を示した。極端に虫が嫌いな子にカブトムシの幼虫を投げつけて大騒ぎするような場面もあったが、何とか終わらせることができた。

自然に生えた木が大きく伸び、雑草が生い茂った河原を一大アジサイ公園にしようということで、大木を何本も切ってきたが供養をしていなかったことを思い出した。作業が一通り終わったので、切り株に塩とお神酒をそなえて、お詫びと感謝の祈りを奉げた。例え、紅い血は流さなくても生きとし生けるもの全てに生命、魂の宿ることを話しながら生徒たちともども敬虔な気持ちになった。疲れを癒すため、ゆっくりと桃源の湯に入ってもらう。

夕食時、将来何になりたいかと言う話になった。口は災いの元というわけでもないが、口数の多い二人が一流のサッカー選手と社長になりたいという発言をした。そこで、佐藤さんが燃えた。目標を持つことは良いことだが、今の態度のままでは無理だということで、翌朝、6時に起床、佐藤さんも入り薪き割りの猛特訓を行うことになった。寡黙組みは淡々と薪を割れるようになった。朝食後は同様に二手に別れて行った。滔滔亭の囲炉裏で炭に火をおこし、魚を焼く組。石夢工房組みはどうも佐藤さんと相撲を何番も取ったらしい。大分神妙になり、挨拶も少し変わってきた。

こちらも真剣勝負、手を抜くことはいくらでもできるが、そうはしたくないので機に応じて厳しくするときもある。折角のご縁で来てくれた子供たちが物ではない何かをお土産として持ち帰ってくれたことを信じている。(御沓一敏)