2009.09.1214
体験学習・K中学校生
御沓一敏

   東京から男子中学生3人が12日夕方、和彩館に到着した。学校としては、8年間、阿賀町で移動教室を続けているという。やはり、それだけの成果があるということであろう。

 また、偶然にも(必然か?)、1人の生徒のお姉さんが3年前に同じ移動教室で和彩館に来ているというからご縁の不思議さに驚く。
 丁度、その頃は、桃源の湯の建設作業が始まったばかりで、完成したら、いつか必ずお風呂に入りに来たいと手紙に書いてあった。

当時、女の子なのに薪割り体験までさせたようだが、お姉さんから辛かったという評判も聞かなかったようで、自分たちの一見厳しい接し方に間違いはなかったと胸をなでおろした。

 毎回、事前に、生徒の紹介写真が送られてくるので、こちらもどのような生徒なのか写真を見ながらおおよその対応を考えなければならない。推測どおり、しっかりとした3人であったが、剣道と野球をやっているというにしては、声が小さい。

 校長先生のご挨拶の中にもあったが、人と交わるためには、大きな声で挨拶と話をする訓練をと強調した。

 初日は、6時起床、美術館と縄文館の見学、犬の散歩と軽めのメニューからスタート、朝食後は、隣の地域まで薪をいただきに行く。トッラクがないため乗用車で生徒3人をマキ子さんが送り迎えをし、足の遅いミニトラに薪を満載して筆者が後を追う形になる。2往復したがまだ余裕がある。

 午後からは石夢工房の大木を切断したものと小枝の運搬整理。雨が降ったり止んだりで、泥んこになったが、ギブアップしないのには感心した。

次に、大き目の木に楔を打ち込んで割る作業をやってもらう。力任せにハンマーで楔を叩いたが、ハンマーの柄が折れただけで、楔は中へ入らないという状態をみて、いよいよやって見せるしかない。

支点を動かさずに手首を使って瞬間に力を出し正確に当てれば、年寄りで非力であっても十分できるということを示した。これは、剣道でも野球でもスポーツ全般に言えることだろうことを話し合った。

同じ作業では飽きるので、目先を変え、電気チェ-ンソーを使って木を切ってもらう。思い出に残る定番の薪割り作業は欠かせない。一所懸命頑張ったので、明るいうちに、ゆっくり風呂に入ってもらう。図らずも、弟さんがお姉さんの願いをたっぷりと味わって帰ることになった。

最終日の早朝は、美術館の掃除。食後はクレソン畑の土堀リ作業である。雑巾掛け、スコップの入れ方ひとつ、「御沓さんは見ているだけで無理をしないで良いから」という周りの声のようにはいかず、やって見せるしかない。
   私事になるが、膝の負傷から丁度、1年目にして、少々ハードなリハビリとなった。

 ともあれ、3人の中学生の“お見事”というほかない食欲には皆驚いたが、しっかり食べる子は心身ともに立派に育つことを改めて痛感した。

 声は期待したほどには大きくならなかったが、爽やかさを残して秋風とともに都会へと戻って行った。

これで今年の中学、高校生の体験学習は全ての日程を終了した。関係者の皆さんご苦労様でした。