2010.06.09
素直な生徒たち
佐藤賢太郎

体験学習で素直な生徒たちと接するたびに心が癒されます。
精神的にとてもリラックスできた生徒たちは、いずれも素直で礼儀正しいのです。学校の成績も優秀なのでしょう。それが人生の幸福につながるとは必ずしも断言できませんが、少なくとも幸福になるチャンスは開かれていると思います。中学生、高校生とほっとする生徒たちと家族の付き合いです。

呑み込みが早いと言うことも、彼らに共通しています。私は、決まって生徒たちに都会ではけっして体験できないことをさせます。薪を使った風呂、薪で炊いたご飯、山菜を採って食材とする。汗を流す、辛抱する。ものを生かす、物を大切に使う、ここでは循環型の生活体験をしてもらうことを伝えます。                    

そしてさらに、「猿が出て困っているが、人間にとって利益になる合理的なことばかりやってはならない。ほかの生きものたちとも共存することが大切だ」といった話もします。そんな具体例を話すと関心を示し理解してくれます。

しかし彼らは、体力にはあまり自信がないように見えます。そこで、「ここが踏ん張りどころだから、あきらめるな」と言います。彼らに、少し辛抱するという体験の場を作ってあげることが大切だと思います。

中学生が到着した初日、茶碗で夕ご飯を5杯も食べました。翌日の作業後の夕食は4杯。そして最後の帰る日の朝になるとがっくり減り2杯。言葉も少なくなり食欲もなくなってしまいました。「眠い、眠い」の連発でした。こんなきつい作業をしたことは、初めての経験だったのでしょう。でも、「やがて役に立つときがくるよ」と言いました。将来、彼らが日本を背負ってゆく素晴らしい人間になることを願っています。

夕食時は、とても気持ちよく揃ってテーブルに付きます。我が家には子供がいないので、まさに大家族の子供がいるような気分になります。今時の生徒たちにも、さまざまな生徒がいることを教えられます。そして、明るく素直な彼らから私たちも元気をもらっています。体験学習の受け入れをしてよかったと思うひとときです。