2017.06.08
決断
佐藤賢太郎 

あれも良い、これも良いと言って、迷う人がいます。迷ったあげくは優柔不断になります。そして「あの時、ああしておけばよかった」と悔恨ばかりに責められて、次の決断を難しくし、優柔不断になります。その結果、保身と責任逃れだけが横行します。ある本で、そんな文章を読みました。 

私は毎日決断を迫られ、すぐに返答しなければならないことが実に多くあります。だから冒頭に優柔不断を取り上げました。

 借りる家の補修のためコンパネが必要になりました。そんなとき、ある方が間に入り、コンパネを頂く約束をしました。突如電話が入り、その日すかさず古田さんとある方と3人でトラックに乗り、

会津若松市に行きました。そこにあったのはコンパネではなく、型枠がうず高く積んでありました。「これがコンパネ?」と驚きました。 

コンパネと、型枠は違います。それを間に入っていた方は知らなかったのでしょう。

しかも小屋の内部の後片づけが条件だったようです。1回目は型枠運び、2回目は掃除をすることになりました。それも、3人いなければできません。うず高くトラックに積んだ型枠を見ながら、頂くことの大変さを思いました。これを成し遂げて、貸家の修復が実現します。お金がないから、そういう努力をしなければなりません。 

ここに住む多くの方が言うように、地元に仕事がないから若者は都会に行くことを当然のように思っています。 

勿論、型枠の前に、家を借りて夢を描くことがなければ。コンパネは無用の長物であります。わたしは一軒の家を借りることで、次々と動くことが多くなりました。

会員の大野さんは、この夢の実現に大変興味を持ち、乗ってくださいました。丸ごと材料を頂くことに意味があります。そのためには、まず頂く周辺の掃除から始まります。いただくには、暗黙の一定のルールと信頼関係が必要であり、どこから手を付けるべきかという共有の価値観を大野さんと私は持っています。 

私は今、最高に贅沢な生き方をしています。しかしそれには気遣いも必要です。

私は貸家の壁面には好きなアルプの絵を描きます、一軒丸ごとアートにしてしまいます。そこを「てこ」にして魅力を作り、その延長線上に地域づくりをしてまいります。

毎日、毎日貸家の掃除かと思っていたら、頂く材料のためのさらに掃除がありました。しかし、大野さんも私も変化するそのことを楽しんでいます。勿論家内も理解し、腰が痛いと言いながら掃除をしています。一人では到底できない作品つくり、地域つくりです。8月のギャラリーマスガの個展を前に、私はこの展覧会の準備に没頭しています。

猛烈な勢いで書いていますが、これも“下手の横好き”というのでしょうか。美辞麗句で飾れませんが、実践がなければ文章を書けないことも間違いのないことのようです