2011.06.01
人のつながりと支援
佐藤賢太郎

EU・ジャパンフェスト日本委員会や奥会津書房とのつながりから支援活動が広がったことは前回述べました。

ところで、コスモ夢舞台の会員に出版社に勤めている荻原さんという方がいらっしゃいます。個人的にも被災者に物資の支援をしていました。その方が東京書店商業組合から図書を通して、私たちも何かさせていただきたいが、どこにどうしたらよいか決めかねていたことを聞き、私に相談してくださいました。

 早速、東松島の図書館とのコンタクトが取れ、係りの方と組合の方が連絡を取りあい、書籍が無事送られたそうです。嬉しいことに双方がとても喜んでくださったと報告をいただきました。荻原さんも役に立てて満足の様子でした。

さらに、ほかに届け先はありませんかと尋ねられ、私は石巻市で床上浸水された高橋さんにコンタクトを取りました。彼女のうちはもう住めない指定箇所になったことで、ご両親は寝込んでしまったとか、その心労はいかばかりかと思います。

その高橋さんは「今仕事がなくて何か自分にできることを探していました」と言い、私は「こんな時に受けていただけるかどうかわかりませんが、本を必要としている図書館がありましたら紹介していただけませんか」と申しました。すると「私でよろしかったら是非させてください」とおっしゃいます。早速、石巻教育委員会と連絡を取ったところ、喜んでくださったとのことでした。東京書店商業組合も機関紙に支援のことを掲載されるそうです。この苦しみのなかで、何か役に立ちたいという美しい心を皆さんがかもしだされることに救われます。

それにしても、やはり送る先の顔が見えていたことが原点でありました。そして、近いうちに再度支援物資を持参して双方にうかがう予定にしております。

直接会うということで、お互いに勇気や希望が生まれるものと信じております。私たちは東松島と石巻の方々とお互いに信頼関係が深まってゆくことを感じております。

この震災から私たちは何を学ぶべきなのでしょうか。ただ、経済復興すればそれでよいとは思えません。