2010.03.19
味噌つくり、もう一つの視点
佐藤賢太郎

「コスモ夢舞台」の活動は、人と人の交流をとおし、個人と地域の再生を図るための舞台つくりであると思っている。味噌つくりは、地域に根ざしたその取り組みの一例です。ここでできる、今までもやってきたこと、それが味噌つくりです。味噌つくりは、食の安全安心は輸入にばかり頼ってはいけないという自力のための実践でもある。そして地域再生という点でも、地元の方との交流は里山アート展に比べて、こちらのほうが身近であります。

 豊実地区でも、大なべで作る味噌つくりはもう見られなくなりましたが、この日は総勢17名が集まりました。まさに味噌つくりイベントです。作る人と場所がなければできません。そして消費する人びとがいて成り立ちます。こうしたことが、自然に運ばれていくのがコスモ夢舞台です。

ところで、大雪で味噌小屋が壊れてしまった。保存するところがないと味噌は熟成されません。そこにも人材がいて小屋の復興ができました。仲間のOさんが、見事に以前よりすばらしい味噌小屋を再建してくださいました。ここをこう直せば大丈夫と、すばやく創作できるのは才能でしょう。しかも製材所からいただいた材料を生かして、あるものだけで作りました。助手としては、鹿瀬からひょんなことで顔を出した方が手伝うことになり、さらに喜多方から味噌つくりの体験に来た方も小屋つくりにまわりました。             

一方では味噌を作りながら、味噌が出来上がるまでに小屋の完成を迫られているのです。ものすごい勢いで小屋は作られることになりました。大工さんは、こんなことを絶対に引き受けません。Oさんは「自分のやりたいようにさせてくれる」と言いながらながらも、私の夢を実現させてくれる方でもあります。ほかの会員も、それぞれの才能を別なところで発揮して下さいます。

 仲間のHさんには、別の仕事を頼みました。それは溶接です。私はなかなかできないのです。彼は嬉しそうに「学校で教えたことがここで役に立つ」と言います。薪を積んだとき崩れないようにする端止めを作っていただきました。これも才能です。味噌つくりのイベントには、ともかくいろいろな方に集まっていただきました。

ところで前夜は、まるで懇親会が催されたかのように喧々諤々で盛り上がりました。会員以外の新人の方も見えて、その輪に溶け込み、本当に楽しかったとおっしゃいました。中には味噌つくりの用件ではなく、懇親会に参加する目的で来られた方もいます。実は、ギリシャツアーの参加者の一人でした。少しでも参加者の方と面識をもちたいとのことで参加されました。      

ふくろう会もたえず変化、進化し続け、もう会員だけで集まることのほうが少なくなりました。いろいろな方が入られても、すぐに溶け込むことができるのがコスモ夢舞台の特徴になりつつあります。  

その意味でも、今年は大きく変化する年になるでしょう。