2012.06.11
理想と実践(2)
佐藤賢太郎

阿賀町商工協議会会長 佐藤俊一下越酒造社長の推薦による私の講演、「地域活性を考える」が決まりました。それは、地元に私の夢と実践を語る貴重な機会を与えられたことでもあります。この講演内容は、どこにでも使えると思っております。

ところで、新潟市から金(キム)さんご夫婦とその子供さんが家族でお出でになった。私は2か月に一度、新潟市で開かれるガン患者定例会に出ていますが、そこで知り合った方から私のことを聞かれたようです。奥さんは日本人、中国で医療を学ぶ中で知り合ったそうです。

彼は「ガンになった方は教師である。そう思えてなりません」と、私を紹介してくださった方のことを話していました。

勿論、私のとった行動に関心があってお見えになったのですが、薬は使わない方が良いとか、自然死ということが大切であると力説していた。またあらかたの姿をとおして心打たれたようです。それは「ガンになって私はこれから一生懸命生きます、どうぞ私を生かしてください」と謙虚になることによって健康をとりも出された例を教えてくださいました。そして医師に対する見方は私と同じようであった。薬を使って苦しむ多くの方を見てきて、現代医療に疑問を投げかけていた。私たちはお互いに、さまざまなことを熱心に話し合った。家内も話が尽きないようであった。

いのちの田圃に大変興味をもたれたようで、家内が田んぼを案内してくれた。小学1の子はカエルの多い田圃で、ドジョウを捕まえて喜んでいた。小6の女の子は田んぼの花をきれいにアレンジして手にしていたが、とてもセンスがあると思った。これが私の桃源郷ですと説明すると、奥さんは笑顔で納得されていました。

また、お母さんは今年とれるコスモ夢舞台無農薬のコメを注文され、和彩館でつくる味噌を買ってくださった。近所から頂いたばかりの、虫の食った野菜を家内が奥さんに差し上げると、奥さんはとても喜んだそうです。ところで、皆さんは虫の食べた野菜を喜んでいただくでしょうか。それとも農薬を使って虫も食べない綺麗な野菜を選ぶでしょうか。

それを見ていた子供が「今日のお母さんは、ハイテンションの顔」とすかさず言ったそうです。このような家族が和彩館にお出でになった。素晴らしい家族を見せていただきました。

今日は日曜日なのに、たった2組のお客さんである。もう一組の一人、カメラマンはコーヒーを飲んでくださった。家内は「ドイツ在住の方からいただきましたので、お金いりません」と言うと「写真もってくるね」と帰って行きました。

和彩館を予約の店にしてから、本当にお客様がお出でにならない日が多いこの頃であるが、本物は必ず花開くと確信しています。来年、私の彫刻群が田んぼ夢舞台公園に設置された時、多くの方が注目するだろう。それは理想を現実として明かす時なのだ。その前哨戦に今があります。

自然、アート、農、食、教育、医療、地域再生この広範囲と私は対面しています。これが私の理想と実践です。それは、あくまでも「われと人との仕合わせ」を念頭においた希望としたいものです。こうしたことを考え、実行できる人生に感謝します。