2012.08.14
田んぼ夢舞台公園化近し
佐藤賢太郎

人口減少に歯止めがかからない過疎の田舎は米を作る担い手がなく、将来に希望がもてなくなっています。気候変動、人口増加、自然破壊などから、世界的に遠からず必ず食糧難がやってくることと思います。当然、食料自給率がきわめて低い日本も避けられない問題であると思えてなりません。

作り手がいなくなり、田圃を作らなくなった荒れた田んぼを私は毎年見ている。それはすごいもので、雑草はもとより木が生えてくる。一年田んぼを作らないと、翌年田んぼを使えるようにするのはかなり困難である。田圃を2年放置したら手がつけられなくなる。

かつて、田んぼ夢舞台の里山アート展会場も一部そのような状態になりつつあった。あれから私たちは里山アート展を開催し続けて9年目になる。今その田んぼで米を作りながら、散策できる公園化を目指している。

食料自給の大切さ、安全な食料、自然環境の保全、動植物の生態系維持、そしてアートを直に見て、感じていただく。そうした自然公園を今、実現しようとしている。この活動はそれほどマスコミには取り上げられていなく地味ではあるが、とても贅沢な試みであると私は思っている。

今年も無農薬の米つくりをしているが、稗取りがとても大変である。完全無農薬を実施して2年目であるが、昨年取りこぼした稗が強くて取りきれない。稗が出ないようにするには、薬ではなく毎年抜く以外に方法はないそうである。

その代り、田んぼには多くのイナゴ、カエル、メダカ、トンボが棲める環境になっている。

今の時代に何を目指して人間は生きてゆくべきか、それを田んぼ夢舞台公園で示唆できるものにしたいと願っている。