2010.08.31
ビオトープに寄せる想い
佐藤賢太郎

なぜ私はビオトープに関心があるのか。それは里山であるのに蛍やメダカ、ドジョウなどがすっかり消えてしまって、里山の魅力がすっかりなくなっている現状であった。そこで、里山アート展をきっかけにここにビオトープを作ろうと思った。

水は太陽と共に生命の源である。水あるところに生命は生まれる。
農薬の影響や水そのものが流れなくなり、かつて飛び交った蛍や田んぼに住んでいたドジョウ、メダカといった生き物たちが消えてしまった。

 私はメダカのような弱い小さな生命に、なぜか心がひかれる。メダカが泳いでいる姿はとても感動的である。かつて井上靖の「敦煌」という映画を見たが、最後のシーンが印象的であった。
  争いに明け暮れ、そこに巻き込まれた主人公が水溜りの前で倒れた。目を覚ますとそこに小さなメダカのような魚が泳いでいた。いったい人間は何を目的に、どう生きていくことが大切なのか、そんなことを考えさせられるシーンであった。
 
   そのメダカにこだわるわけではないが、私はメダカを観ることが愉しい。ここにトノサマ蛙も泳いでいる。そして小さな金魚を放した。 

このビオトープには、細い弱弱しい青いトンボも飛び交う。よそでは、なかなか見られないトンボである。赤とんぼやオニヤンマとはまた違った魅力がある。
   このビオトープがある程度の満足がいくまでには、試行錯誤しながら最低3年くらいの時が掛かるであろう。