2009.09.01
進展するコスモ夢舞台2
佐藤賢太郎

1.里山アート展開催について

これは6年前、アーティストの仲間二人を誘って里山アート展を郷里で開催しようとしたことがはじまりです。組織もない私が一人で夢を描いて素人の方々にも参加していただき、本当に小さな一歩からのスタートでした。野外アート展の開催は、ともかく作家の確保にとても苦労しました。このアート展はむろん知名度も資金もなく、私は関東に出向き、自ら作品の搬入、搬出をやりました。

なぜ実施しようとしたのか。それは言うまでもなく、この地に生まれた私がアートに携っていたからということでした。私は今まで各地の野外アート展を見学してきましたが、アートの土壌のない郷里で敢えて挑戦してみたいと心が動きました。あるのは馬鹿みたいに夢を追いかける熱い想いだけでした。

ここ豊実には、派手ではないが豊かな自然が残っています。しかし、都市の人びとはただ通りすぎて行くばかりで、自然の素晴らしさに気づき、それを見つめる機会がなかったと思う。

田んぼにアートを置くことで、自然の美しさを背景に作品を鑑賞する機会をつくることができるのではないかと感じました。アート展の開催準備をしていく過程で、荒れ果てた風景を整える必要もでてきました。その結果、アート展会場が景観づくりにもなり、美しく変貌してきたのです。つまりは、田舎の魅力つくりにもつながったのでした。

そしてアート展の開催によって、新聞、テレビなどマスコミに毎年とり上げられるようになりました。つまり年々、豊実の存在を知る人が多くなってきたということです。

さらに出品作家は、県内にとどまらず都市周辺からの方々へと広がる。それは都市との交流の一つでもあります。都会の方々がこのアート展への参加を友人、知人にPRしていくことで、さらに阿賀町の存在が知られるようになりました。

最後にアートの意義ですが、アートの作品つくりや鑑賞は心を豊にすることです。それはまた、新たな創造力を生み出すことでもあり、新たな取り組みかたへの挑戦にもなります。      

このように里山アート展は、過疎における新しい一つのデザインを創造することになると思います。