2006.06.28
揺るぎない信念

魚沼産コシヒカリより美味しい米を豊実で作ろうと手を挙げて、ご指導、ご協力をいただいているFさん、忙しくても、新潟からどんなに時間がかかっても、とにかく結果を出ださなければならないという信念に揺るぎはない。

九州の大雨とは反対に、1ヶ月余り、新潟はほとんど雨が降らない。特に最近、植え終わった古代米が悲鳴をあげている。何とか救わなければという思いはFさんのみならずマキ子さんも私も変わらない。
何かあっても、繁忙期なのでしょっちゅうFさんにSOSを出すわけにはいかないが、一昨日は水汲み上げ用のポンプのエンジンがかからず、やむを得ず来ていただいた。
夜になったので、「ぎゃらりー和彩館」までポンプを持ち込んで補修作業をする。プロがみてもすぐには動かない。最後の手段で、燃料コックのごみ出しとキャブレターの水抜きをしたところエンジンは動き出した。固唾を呑みながら見つめる全員が感動の拍手である。

翌朝も、順調にエンジンは動いた。ところがその後がいけなかった。エンジンオイルが少ないようなので入れておいてくださいといわれて対応した私の処置が結果として、大失敗だった。
オイルを入れ過すぎてあふれ、キャブレターやフィルターに被ってガソリンが回らなくなっていたのである。

この危機を救ってくれたのが野沢(福島県)にいらっしゃる佐藤さんの叔父さんである。
かつて、バスの運転や修理を経験したことがあるというだけあって、81歳でご自身の車を運転して来られた。
さすがに、昔摂った杵柄である。道具だけ見ても私のような素人にはすごいなと思ってしまう。このプロにしても、すぐには動かない。結局、キャブレターの分解掃除をすることになった。炎天下で2時間余り奮闘した結果、エンジンは動いた。

しかし、水が上がって来ない。今度は、Fさんと電話連絡をする。「ポンプに水を入れてください」という指示である。長いロープの先に結び付けたバケツを投げ込むこと3度、川から水を汲み上げてポンプを満タンにした。
再度、エンジンを始動してしばらくすると、水があふれんばかりに噴出してきた。
何も手出しの出来ない私は少しでも暑さを避けられればと叔父様にパラソルを差しかけるだけであったが、思わず二人でガッツポーズをしてしまった。

「コスモ夢舞台米」の収穫までには、まだまだ幾多の難関があるかもしれない。こんな短い期間だけでも、多くの人手と善意と経費のお蔭様で成り立っていることを感じる。 
カクチュウ(佐藤家の屋号)の米は高い米と、すでにムラ中の評判になっているかもしれないが、止められるわけにはいかない。(K.M)