2006.09.30
感謝、感動の入浴

コスモ夢舞台が10年でここまで来れたのは、いろいろな条件が揃ったからであるが、とりわけ、佐藤家のご先祖が残され広大な土地があり、これを守ってこられたご両親がいらっしゃったということが大きい。

最初の施設、悠悠亭を作る時点では、まだ、佐藤さんのお父さんもお元気であっというが、その後ご病気で身体が不自由になられ、遠くで私たちの活動をご覧になっていたとは言え、どのような思いをされていたのだろうか。

和彩館の前に置かれてあったいくつかの大きな石は、お父さんが苦労して川から運んで来られたもので、今は、露天風呂横の池の端で使われている。そのことについてお話はしてきたが、「どこへ持っていった。捨てたのか」といつもお母さんに尋ねられたという。

好き勝手なことばかりやっていると見られているのではないかと、いつも気にされているのは建設作業で中心になっている我らが棟梁Oさんである。先日の作業の後も出来ればお父さんを入浴させてあげて欲しいと言い残して帰られた。

やっと、ポカポカ陽気の9月も終わりの30日、そのことが実現した。
車椅子に乗っていただき、池の周りに置いてある石をしっかりと見てもらい、石夢工房から露天風呂へご案内する。冒頭に記した言葉を述べ、お礼を申し上げると大粒の涙を流された。

いよいよ、念願の入浴である。といっても、今回は浴槽までは入らずに回りで身体を洗うまでにとどめた。
それでも十分、満足されたご様子で、本家に帰られた後も、ムラの人たちの前で「今日は、風呂に入れて良かった」涙を流されていたという。

「(私たちが)何をしているか分からない」とこぼされていたお母さんも、この日は、お父さんの入浴の時や初めて、ムラのご婦人方をご案内するやらで、都合、3回の入浴をされてご満悦であった。。
コスモ夢舞台も形が見えはじめて、少し認知度のあがった一日であった。(K.M)