2006.12.11
リキの好奇心 

朝、愛犬リキがクンクンと玄関で鳴くので、水鏡の小径へ散歩に出ることにした。珍しく青空が見えた。青空があるのを忘れてしまうような長い月日であった。とても嬉しく気持ちがいい。
小径を目指して一目散にリキは私を引っ張ってゆく。これで3日目である。
それには訳があった。先日、小径の杉林の斜面に廃材の板が積まれてあったが、そこに来るとリキは異常に関心を示して、興奮したように少しの空間に顔をつっこんで匂いを嗅ぐ。いい加減に帰ろうと私が紐を引っ張っても決して帰ろうとしない。そのポイントにリキは早く行きたかったのだ。

この廃材の板積に何か動物が住んでいるらしい。リキはそこにものすごい好奇心を持って執拗なほどの執念を示している。リキは蓮田から環境変化の大きい豊実に移り、以前より健康状態が良くなったようだ。田んぼにつれてゆくと飛び回る。歓びの表現である。そこでも何か動物の穴を見つけることに発見する楽しみがあるようだ。
こんな姿を見て、自然の中で匂いをかぐことや、発見することがリキを健康にするのだろうと思った。

和彩館に一度伺いたいと言っていた元気を失ったある老人が来られた。「もう関心を持つものもなく、話す友もいない」と人生を語っていた。

元気を維持する条件の一つは人間も同じで、やっぱり自然の中で暮らし、好奇心をもつものがあることが大切であり、教育もそこですることに意味があるのではなかろうか。(佐藤賢太郎)