2007.01.11
「ごめんあそばせ」を読んで

この書は奥会津書房編集長の遠藤由美子さんのお母さん遠藤キヨさんが書かれた本です。
縁あって奥会津書房にお世話になる事になり書房からの「ごめんあそばせ」の刊行本を読んでおりました。
さてこの新「ごめんあそばせ」を読ませていただき、心静かに遠い昔の映画を見ている気持ちになりました。物静かに山峡に暮らす二十四の瞳の映画を見ているようでありました。

キヨさんはお寺の住職遠藤大禅さんと出征直前に結婚され教師をされお寺を守ってこられて方です。
その生徒たちとの触れ合いは、現代の学校では見られない童謡の風景に出てくる場面です。
心と心、そして魂の触れ合いが一杯感じました。魂と言えばツバメのふるさとと言う見出しではまさに生き物たちと対話する心を感じました。

私も動物を彫刻する作品ではそんな気持ちが大切なのだろうと思う。そして転生と言う事も考えるようになった私です。日本はどうしてこんなに変ってしまったのかと、ふと思ってしまいます。

私は教師を辞めて夢に向って彫刻家になったその生き方とは違いますが、とっても大切な事だと思います。私も58歳にしてようやくふるさとの山峡に戻って参りました。
今まではベストセラーとか評判の本読んでも、「ごめんあそばせ」のようなゆっくりとした本は読んでいなかった。長い雪の中で暮らすとき、ふるさとに生きることを考える書がここにもあるようです。

私は自己実現にと走って走ってきた人生のようであった。そんな私に冬休息時間をとる大切さを教えてくれるよな本であった。教師をされている方にも読んでいただけたらと思った。(佐藤賢太郎)